担当:「とりあえず、見に行ってみましょう。」
私:「ワタシ1人で見に行く勇気がないのですが。。。」
担当:「ワタシもです。」
担当:「では、明日、一緒に入りましょう。」
管理会社の担当さんと、
現地で待ち合わせることになりました。
ソワソワしていたワタシは、
待ち合わせの時間よりもずいぶんと早く到着。
問題の部屋の前をウロウロ。
ドアの前の廊下。ドアの下から変な液体は出ていない、ヨシ。
クンクン、異臭無し、ヨシ。
ドアに血の手跡ナシ。ヨシ。
ぐるっと回って、ベランダ。死体ナシ。
目を凝らすが、ベランダ外から室内までは見えない。
・・・・
そんなこんなしているうちに、担当者到着。
私:「外観的には異常ナシであります!」
と、報告。
担当:「では、鍵開けますよ。心の準備は良いですか?」
私:「はい。覚悟はしております!」
ガチャり!
開けた瞬間、二人で顔を見合わせました。
無言で外へ出て部屋番号を確認。
私:「この部屋ですよね?」
担当:「ええ。間違い無いです。」
もう一度、二人で中へ入ります。
無言で、下駄箱を開けたり、
キッチンの袋棚を開けたり、
トイレを開けたり、
押し入れを開けたり。
私:「もしかして、入居してなかったんじゃないですか?」
担当:「住んでた気配無いですよね。」
そうなのです。
まるで、洗いを入れた後の様に、
入居希望者内覧の時の様に、
室内は空っぽで、綺麗なままだったのです。
担当:「このまま、すぐ募集かけましょう。」
私:「はい。是非。」
キツネにつままれた様な気分で、
でも、肩の憑き物が取れたかのような晴々とした顔で、
担当者と別れました。
全ては生活保護受給者の虚言だったのでしょうか?
未だに謎なのですが、あれは一体何だったのでしょうか。
世にも奇妙な物語のような幕引きでした。