(前回からのつづき)
紹介してくださったのは、
現在売却依頼中の学生マンションちゃんを預かって
売却に向けて奔走していただいているU氏です。
「ウチで預かった物件で、面白いのがあるので、ちょっと見てみませんか?
JR駅徒歩1分です。上物は古いので取り壊して新築されたらどうでしょう?
もしできるならウチで新築分譲したいところなのですが、
ウチの会社分譲やってないのです。
で、分譲やっている業者に声かけようと思っているのですが、
その前にご紹介しようと思いまして。」
とのお誘いでした。
なんだか、お得感満載の話ではありませんか。
そりゃ、とりあえず視察するしかないでしょ。
というわけで、即飛んで行きました。
現地視察
現地に立った瞬間の第一印象は、
「これは無いな」
小洒落た喫茶店と、古くからの銘店の焼き肉屋の間に佇む
その該当物件は、そこだけ異空間でした。
まさにお化け屋敷です。
蔦の葉が絡まり窓は割れ、
何か事件でもあってそのまま放置されているのではないかと、
疑いたくなるような物件です。
思わず、不動産業者のU氏に、
「ナニがあったのですか!?」
物件前で小一時間話し込んでしまいました。。。
U氏の話をかいつまんで説明すると、
オーナーは土地持ちの高齢者。
もともと、賃貸していた建物だが老朽化してからは放置。
賃貸をやめてからは、物置として自分で使っていた。
しかし、いつの頃からか、来るのも面倒になって、
完全放置状態となったまま月日が過ぎてしまった。
子供たちも京都を離れて生活しているので、
これ以上ここを維持する意味が見いだせない。
という事で、売却を決意されたらしい。
事故物件でもなんでもないという事で、とりあえずは安心。
しかし、聞いてみると、土地値としては、特に安いわけでもなく、
以前何度か値交渉が入ったが売主さんがOKを出さなかったので
これ以上の値下げは厳しい状態。
要するに、工務店さんが現金で土地を仕入れて建売りするには高いのだ。
駅前一等地ではあるが、20坪と小さいので大手の参入は難しい。
しかし、よく考えてみると、個人が住宅ローンで借り入れるのであれば
売り出し前の川上物件を購入できるチャンスであるとも言える。
3階建で1階をテナントとし、2、3階に住むという計画であれば、
借入総額は高くなるが、すぐには賃貸収入が見込めない高級住宅地案件
よりもお買い得かもしれない。
1階を店舗テナントで貸し出せば、すぐに収入のある案件となり得る。
「じゃあ、とりあえずローン審査申請しようと思います」
その場で即決。
こうして、2案件を並行して進める事となったのです。
今まで何度も、買い付けを入れたものの購入には至らなかった経験があるので、
縁がある物件であれば、どちらかが通るだろう、というくらいの感覚でした。
ここで、それぞれの物件のスペックを比較してみましょう。
高級住宅地案件
土地:旗竿地
建物:築不詳2階建
土地坪数:42坪
価格:4000万
内訳:物件価格3200万+改装費800万
計画:当面は自宅として使用するが、将来的にゲストハウスとして運営。
駅前案件
土地:駅前道路に面す
建物:新築三階建
土地坪数:20坪
価格:5500万
内訳:土 地3200万+建物2300万
計画:1階をテナントとして貸し出し、2、3階に住む。
(つづく)